「バレエ大好き党」とは、2021年10月31日に行われる衆議院議員総選挙の小選挙区に立候補した猪野恵司さんの団体名です。
バレエ大好き党という個性的なネーミングだけでなく、政見放送の内容も話題性が高く、ネット上で注目が集まりました。
そこで今回の記事では、バレエ大好き党で出馬する猪野恵司さんの経歴・プロフィールや、バレエ大好き党の政見放送の内容、立候補理由などをまとめて紹介します。
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バレエ大好き党の猪野恵司の経歴・プロフィール
バレエ大好き党として衆議院議員選挙に出馬する猪野恵司さんは、プロのバレエ指導者です。
ややこしいのですが、バレエ大好き党とは政党ではなく、猪野恵司さんがつくった団体名。
選挙には、政党「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の公認候補として出馬します。
そんな猪野恵司さんの経歴・プロフィールを調べてみました!
- 生年月日:1983年10月19日
- 学歴:日本大学芸術学部(中退)、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校
- 趣味:放浪の旅に出ること、ゲーム、読書
- 資格:NSCA-CPT、American Red Cross First aid and CPR
猪野恵司さんは高校生のときに、ミュージカルの世界に憧れバレエを習い始めました。
日本大学芸術学部を中退した猪野恵司さんは、アメリカのカリフォルニア州立大学ロングビーチ校に留学し機能解剖学を学びます。
大学卒業後は、サクラメントバレエ団に入団し、プロのバレエダンサーとして活動していました。
こちらがダンサー時代の猪野恵司さんの画像です。
画像引用元:https://www.personalballet.com/trainer
こちらからご覧ください。
猪野恵司さんが踊っている動画が見たい方は、猪野恵司さんは現役ダンサーを辞めた後、バレエのトレーナーを志します。
しかし、バレエの世界は子どもの指導に重きがおかれ、大人が趣味でバレエを習うシステムはないことに気付いた猪野恵司さん。
自信が培った解剖学の知識や、ダンサーとしての経験、バレエ指導法を生かして、猪野恵司さんは大人のバレエ上達をサポートする「大人バレエアカデミー」を立ち上げました。
現在、猪野恵司さんが活動する大人バレエアカデミーは東京都渋谷区と中央区・銀座の2拠点にあります。詳しくはこちらから。
バレエ大好き党の猪野恵司の政見放送は?
ネット上では、猪野恵司によるバレエ大好き党の政見放送が話題になっています。
政見放送で猪野恵司さんが主張した内容を要約すると、
- 日本のプロバレエダンサーの窮状
- バレエや演劇、音楽家など芸術の重要性
- 芸術に対する国家レベルのサポートの必要性
上記3点について、猪野恵司さんが政見放送で語った内容を詳しく紹介しますね。
政見放送の内容① 日本のプロバレエダンサーの窮状
猪野恵司さんによると、日本のプロバレエダンサーの50%が年収100万円以下なんです。
3~4歳から始めたバレエを18歳まで続け、倍率200倍のオーディションに合格してバレエ団員なったプロダンサーでこれくらいの年収なのだとか…。
年収が低いだけでなく、日本のプロバレエダンサーの経済環境は過酷です。
- バレエ団との契約は「〇〇バレエ団に所属している」といえるだけのもの。
- バレエ団との契約は口約束のケースもある。
- チケットノルマは10万、15万円。達成できなければ買い取り=赤字。
- 主役のチケットノルマは桁違い(120万とか)
- 消耗品であるトウシューズ(1足5000~1万数千円)は自腹。
- 1日6時間のリハーサルを1か月続けても、本番前にケガをして舞台に立てなければ出演料はゼロ!補償はなし。
年収100万円以下で上記のような出費がかさむので、生活のためにアルバイトをしているプロバレエダンサーも少なくないそうです。
猪野恵司さんはバレエ界のことを語っていましたが、演劇や交響楽団など他の文化・芸術業界も似たような感じなのかもしれません。
芸術文化を支える日本の文化庁には「補助金制度」があり、猪野恵司さんはこの制度には感謝していました。
ただコロナ禍での補助金については疑問だったとのこと…。
コロナによる緊急事態宣言で、バレエや演劇、交響楽団などの舞台芸術の団体は、自粛を求められていました。
代わりに文化庁が募集していた補助金の内容は、なんと「新作の舞台を作ったら補助金を出すよ」というものだったのだそう。
猪野恵司さんは、なぜ飲食店のように芸術分野も休業補償という支援ができなかったのかと疑問を呈していました。
バレエだけでなく、オーケストラなどの交響楽団や演劇などあらゆる舞台芸術においても同じです。
政見放送の内容② バレエや演劇、音楽家など芸術の重要性
一般的な人は、日常生活の中で文化・芸術の重要性を感じることはあまりありませんよね。
しかし、猪野恵司さんは先日行われた東京オリンピックを例に出して説明していました。
オリンピック・パラリンピックの開会式などのセレモニーでは、ダンサーや音楽家、グラフィックアーティストなどのアーティストが登場しましたよね。
芸術家がオリンピックなどの舞台で力を発揮できるのは、普段から芸術性や技術を磨き、鍛錬を積み重ねているからだと猪野恵司さんは語っています。
オリンピックのような国家レベルの事業で、ダンサー・音楽家・その他芸術家を利用するのなら、日々の活動への国のサポートが少なすぎるのではないかというわけです。
政見放送の内容③ 芸術に対する国家レベルのサポートの必要性
猪野恵司さんは、年収100万以下でバイトしながらでないとプロダンサーとして生きていけない状況で、芸術の最高峰を目指さねばならない日本に違和感を感じているそうです。
ちなみに、ヨーロッパなどでは国が芸術家をサポートしています。
たとえばバレエの場合、フランスやロシアなどは国の大きなサポートでバレエが成り立っています。
フランスがかける文化予算は日本の4.6倍、韓国は2.5倍で、寄付の文化があるアメリカでは国民もバレエ文化を支えているそうです。
その一方で、日本はサポート面があらゆる面で薄く、バレエの場合はダンサーがバレエ団存続のためにチケット代や団費などのお金を払っている始末…。
政見放送はこちらからご覧になれます!
猪野恵司さんのバレエ大好き党の政見放送を見た人の声を紹介
バレエ大好き党に対するツイッター上での意見はおおむね良好なものばかり。
以下のような意見が多くみられました。
- 「最初はふざけてる?と思ったが主張はまとも」
- 「コロナ禍で大変な芸術家の主張をしている」
- 「バレエ界の現状を知れた」
実際の声を下記にいくつかピックアップしてご紹介します。
政見放送にバレエ大好き党だと!?ふざけんな!?と思いつつ見たらまともなこと言ってた(失礼)公演自体開けなかったろうしな。
— 胡瓜 (@99kyuri99) October 27, 2021
バレエ大好き党、、
いろんな政見放送があるのね🩰✨
芸術家は大変だね。 pic.twitter.com/seLf6dzzKJ— Gloria (@gloria_shihei) October 27, 2021
バレエ大好き党、政権取りに行くというより、コロナ禍であぶりだされた、バレエ、ダンサー、芸術に対する窮状を訴えてるんだな。
確かにバレエ界の内情は知らなかった。#政見放送— のりのりのりっぺ📎 (@noriheizo) October 27, 2021
バレエ大好き党の政見放送が流れていてつい見入ってしまった。YouTuberかよ的な仕上がりはありきたりの政見放送とは違って面白い。
日本は文化芸術を「育てる」意識が低くて海外で評価されたものならチヤホヤする傾向がある。科学技術と同じ。この意識改革は必要だと思う。— ぷらりーぬ fully vaccinated (@chocolatganache) October 28, 2021
N国の政見放送だからと軽い気持ちで見てたけど、バレエダンサーのチケットノルマの話と芸術関連に対するコロナ対策の国からの補助のあり方とか、もの凄くニッチだけど主張は超まともで驚き。
泡沫候補にも色々あるけど、政見放送自体を主張の場としてるケースかな。見応えあった。
— HaniwaFactory【野生のTシャツ作家】 (@haniwafactory) October 27, 2021
バレエ大好き党の猪野恵司が立候補した理由は?
バレエ指導者である猪野恵司さんが、衆議院議員選挙に立候補した最大の理由は、バレエダンサーが踊りの収入で生活できる社会をつくりたいから。
芸術文化やダンサーの質の向上のために、国・自治体からのサポートをもっと手厚くしていきたいと思っているそうです。
バレエを子供たちに教え、すばらしいダンサーを育てても、日本国内にはそんな将来しかない現実では、バレエ界も盛り上がらないでしょうしね…。
猪野恵司さんは、日本で活躍するバレエダンサーが踊るという活動によって、自立した生活ができる世界を作ることが夢だと語っていました。
大変な時期だからこそ、心を豊かにしてくれる芸術文化は大切なのかもしれません。