2021年3月22日に公開された、朝日テレビの「報道ステーション」のCMが炎上しています。
CMの内容が女性蔑視だと考える人がいる一方で、炎上の理由がわからないという人も…。
そこで今回の記事では、報道ステーションのCMが炎上している理由や、このCMに何も感じないという人の声もご紹介します。
<この記事は約3分で読めます>
報道ステーションのCMが炎上している理由は?
炎上してした報道ステーションのCMは、帰宅した若い女性が画面のこちら側に向かって話し続けるという構成。
問題のCMの内容を文字に起こしてみると、下記の通りです。
<div class=”simple-box4″><p>
帰宅した若い女性が画面に登場。
女性のセリフ「なんかリモートに慣れちゃってたらさ。ひさびさに会社行くとちょっと変な感じしちゃった」
「会社の先輩、産休明けて赤ちゃん連れてきてたんだけど、もうすっごい可愛くて。どっかの政治家がジェンダー平等とかっていまスローガン的に掲げている時点で『何それ、時代遅れ』て感じ」
「化粧水買っちゃったの!もうすっごいいいやつ。…にしても消費税高くなったよね。国の借金って減ってないよね」
「あ、9時54分!ちょっとニュース見ていい?」
テロップ【こいつ報ステみてるな】
</p></div>
動画はこちらです。(現在は取り下げられていて視聴できない可能性があります)
この報道ステーションのCMが炎上した最大の理由は「意図が分かりにくい」ということ。
批判を受けCMを取り下げた報道ステーションが発表した下記文書でも、「意図をきちんとお伝えすることができませんでした」と書かれています。
引用元:twitter
意図が分かりにくい構成・演出だっため、人によってさまざまな読み取り方ができ、誤解が生まれ、不快に感じる人が多くなっています。
そのうえで、ネットの声をもとにこのCMが炎上している理由を挙げてみました。
炎上した理由①「ジェンダー平等」の表現が…
CMでは、「産休明けの先輩がオフィスに赤ちゃんをつれてきた」という話のあとに、
「ジェンダー平等をスローガンに掲げる政治家は時代遅れ」と女性に語らせています。
下記のツイートにある通り、この女性の職場はジェンダー問題に取り組んでいる環境なので、いまさらジェンダー平等をスローガンにするのは古いと伝えたかったのでしょう。
この人の職場ではもうすでに(職業という意味での)ジェンダー平等が当たり前の事として実現しているので、今更それをスローガン掲げている時点で周回遅れだという主張だと思います。
現代においても一部の職場では同じ感想を持っている人もいるんじゃないかなと思います— おってぃ (@otty_uma) March 23, 2021
報ステのCM確かに軽い感じしたけど、
「ジェンダー平等」何それ時代遅れって感じ〜っていうのは、
既に「ジェンダー平等」は当たり前で「今更何言ってるの?」っていう意味で言ったんじゃない?#報道ステーション#報ステ#報ステのCM— ガメ子 (@gXGXpvQDxW6p9ch) March 23, 2021
しかしその一方で、2021年現在、男性は子供の誕生後に育休をとることはできても、産休は母親である女性しかとれないことから、産休明けの先輩=女性と特定できます。
産休明けの女性社員が会社に赤ちゃんを連れてくるという状況は、下記のいずれかではないでしょうか。
<div class=”simple-box4″><p>
- 先輩は、育休をとらずに職場復帰した(保育園に入れてない?)
- 先輩は、産休後の育休中に会社に用事があって来た(預ける人いない?ワンオペ?)
</p></div>
いずれにせよ先輩のおかれている状況は、ジェンダー平等を達成した環境とは言いづらい…という意見がでるのも当然でしょう。
報ステCM
あと赤ちゃんを産休明けに会社に連れて来てるってどう言うこと?
育休は?そんでもって今コロナだよ、ちょっと用事で来ただけでも赤ちゃんを連れて来てる時点でその人ワンオペ育児決定してない?
働いてるとしたら待機児童か?— hiki-tama (@hikitamappyi) March 24, 2021
この先輩を女性ではなく、育休をとった男性にすればジェンダー平等がわかりやすかった…という意見もありました。
報ステのCM「ジェンダー平等何てもう当たり前だよね」というスタンスなら、直前の話題をせめて育休にすれば良かったのに
父親の育休が議論になっているのだから「育休とってたタケシ先輩が~」位の方が解りやすいけど
まさか男性妊娠可能で産休も平等な世界線では無いでしょうに
— みよし (@minmin_3600) March 23, 2021
たった15秒や30秒のCMであれこれ細かく説明するのは難しいものです。
しかし、ジェンダー平等を扱うのであれば誤解を招かない表現を検討すべきでしたね。
報ステのcm、好意的に解釈して「ジェンダー平等なんて当たり前だよね、今更スローガン的に掲げられても」の意だったとしても現状を正確に捉えてないし今の時点で平等なんじゃんという誤解を招きかねないので普通にダメ
— さあや (@tolinium_saya) March 23, 2021
また、産休明けの先輩がオフィスに子供を連れてきたことに対する感想が「赤ちゃん、すっごいかわいい」という軽いセリフだけで済まされているのも違和感を生んだようです。
そういやそうだね…
「ジェンダー平等をわざわざ掲げるなんて時代遅れ」って言えるくらい自分の周りはジェンダー平等が当たり前だと思っていながら、育休明けの男性じゃなく産休明けの女性が赤ちゃん連れてきた感想が「赤ちゃんすっごいかわいい」だけなのおかしいよね。
報ステのCMブレブレじゃん。— ルディ@Kalimba練習中 (@Rudy_hul) March 23, 2021
「赤ちゃん、すっごいかわいい」の直後に「ジェンダー平等をスローガンにするなんて時代遅れ」というセリフがくるので、多くの人は意味がわからない…と感じたようです。
炎上した理由②「消費税が高くなった」っていつの話…
報道ステーションのCMでは、女性に「化粧水買っちゃったの!もうすっごいいいやつ。…にしても消費税高くなったよね。国の借金って減ってないよね」と言わせています。
どうやらこの女性は、高級な化粧水を買ったことで消費税が高くなったことを実感した…という設定のようです。
しかし、消費税が10%に上がったのは2019年10月のことで、CM放映時から1年半以上も前のこと。
報ステCM。
また消費税上がった云々って、どういうことだろう。
消費税10%は1年半も前のことだよ。— nena (@a_ne74) March 24, 2021
高い化粧水を買うまでもなく、日々のちょっとした買い物でも消費税の高さは実感するのでは?と思いますが…。
また、化粧水を買うことと消費税の話をつなげることで、消費税問題を軽く扱っている!と感じた人もいます。
観たけど確かに報道ステーションの新しいCM最悪だな、化粧品と消費税関係ないやん消費税問題を軽く扱わないで欲しい。
— OKK (@okk555111) March 23, 2021
化粧品が高級であることと、消費税が高いことは別だ!と指摘する声も。
ジェンダー云々のくだりももちろんひどいけど、消費税高いけど良い化粧品買うってセリフもほんま痛々しいほど酷い
化粧品本体の高級度と消費税の高さ別!別やから!これを腐っても局のメイン報道番組のCMとしてやる?ほんでそんな間違いもそのままに嬉しそうな女子を見て報ステみよ!て誰が思うねん。— yukan (@yukankmr) March 24, 2021
おそらくCMの意図としては、化粧水の話と同じくらい消費税にも関心をもっている若い女性を描きたかったのだと思います。
また、このCMは報道ステーションを見る意義を伝えるものであることから、「政治経済に関心なさそうな若い子が消費税について知っているのは、報道ステーションのおかげ」だと伝えようとしたと分析する人も。
何回見ても意図が理解出来なくて、5回目ぐらいでようやく「若くておバカそうな女の子が消費税が高くなったことを知っているのは報道ステーションのおかげ」と言いたいのか!と読み取れて戦慄した。どんだけバカにしてんだ https://t.co/XWfMq7iKle
— 土鍋がないからパンを焼く (@ohrsan) March 23, 2021
ジェンダー平等や消費税、国の借金といった重大なテーマについて、軽々しく笑顔で語る女性を見せることで、報道ステーションは何を伝えたかったのでしょうか。
そこがわからないから、炎上しているのだと思われます。
炎上した理由③ターゲットをバカにしている?
今回炎上した報道ステーションのCMは、若い女性タレントをメインにした演出なので、若い女性をターゲットとしたCMであると推察できます。
CMの流れをおおまかにまとめると、
- 女性の先輩が会社に赤ちゃんをつれてきた
- ジェンダー平等は古い
- お高い化粧水を買った
- 消費税は高いし、国の借金は減ってない
- こんな話題を気にする女性は報道ステーションを見てる
上記のように羅列してみると、わずか30秒のCMの中にいろいろな話題が詰め込まれているので、ちょっと伝わりづらいのかなという印象です。
下記のツイートでも、「何を訴えたいのかわからない」「そうか、報ステみよう!とはならない」と指摘されています。
噂の報ステのCM見たけどまず何を訴えたいのかがわからなかった。育休、化粧品、消費税とどんどん変わる話題、これを聞いて何になるのか。そうか報ステ観よう!とはならないよ
— 依澄 (@hiyamasanyabai) March 24, 2021
その一方で、下記のツイートでは、このCMは若くてかわいい女の子も化粧品をチェックする感覚で報道ステーションを見てるよ!と伝えたかったのでは?と推測しています。
報ステのCM見ると何かしら言いたくなる作ってる側も全員考え無しすぎる。流れ作業的に作るではなく「こんな若くてかわいい女の子も新しい化粧品をチェックする感覚で観てます」って言ういろいろダメすぎるコンセプトはプロとしてちゃんと断る責任はあると思うよ。
— 田所 健太郎 (@tadokoro7) March 24, 2021
あるいは、若いバカな女の子でも報道ステーションをみれば賢くなれるよ!といいたいのかなという声も。
報ステのCMは、ジェンダー平等云々の前にまず何を伝えたいのかさっぱりわからないのがね…。
バカな若い女の子でもうちの番組観てたらそれなりに物を考えるようになるってこと?
もう何処から突っ込めばいいかこちらがわからないよ…— ー (@chousaaka) March 24, 2021
まあ、報道ステーションは若い女の子に見てもらいたいという意図があったのかもしれません。
しかし、そんなターゲットである若い女性=お客さまのことを、CMの最後にテロップで「こいつ」よばわりしている点はなかなか…ですね。
実際にツイッターでは、視聴者を想定した女性にツッコミどころ満載の発言をさせた挙句に「こいつ」よばわりをするなんて!という声がたくさん上がっていました。
報ステのCM、視聴者を想定した人間にツッコミどころ満載の発言をさせた上「こいつ」呼ばわりで炎上するとか、報道番組として致命的に言っていいことと悪いことの区別がついていないので、情報収集のやり方から発信の方法まで、一からやり直す必要があるのでは…毎週のように燃えてるでしょこういうの。
— ちらいむ (@chilime) March 24, 2021
バカっぽい若い子がニュースを見ていると知り、「こいつ、意外としっかりしてるな」と上から目線で言っているのか?という指摘の声も。
報ステのCMにはイラッとした派です
支離滅裂な話し方をするバカっぽい女が、意外とニュースを観てて
「こいつバカっぽいけど意外としっかりしてるなー」
っていうお気持ちを、
上から目線で勝手に代弁するのやめて欲しい。— めめ (@OTakcRo9QO5i3G7) March 24, 2021
逆に、若い女性がターゲットなのではなく、若い女性を「こいつ」呼ばわりするのが好きな人を引き付けるためのCMなのでは?という意見もありました。
報ステのCMは犬笛なのかなーと思った。若い女を「こいつ」呼ばわりするのが好きなアホを集めるためのCMで、若い女性そのものをターゲットにしてるわけじゃないんだろう。
あんな内容で本気で若い女性をターゲットにしてたなら頭悪すぎて笑う。#報ステ#報ステ終わってる#報ステはミソジニー
— らりるれろ (@hmb1kv4) March 24, 2021
たしかに、視聴者を「こいつ」と呼ぶのは、お客様を「こいつ」と呼ぶのと同じことですからね…。
また、このCMはバカっぽく描かれている若い女性が「こいつ、報ステ見てないな」と言われて見るようになる…という流れならまだCMとしてはわかるという意見もありました。
仮に百歩譲ってこのバカそうに描かれてる方が「報ステ見てないな…一緒に見よう」とかいう流れなら番組CMとしての体は最低限成してると思うけど、いや、いやいやいや…えぇ…もうどこから突っ込めば…
— そてぃー@限界最終回オタク (@soty422) March 23, 2021
みんなの解釈が違い過ぎて、びっくりしますね!
いずれにせよCMなので、もう少し万人に理解できる内容にすべきだったかもしれません。
報道ステーションのCMへの突っ込みや擁護の声
報道ステーションのわずか30秒のCMに対し、ネット上ではさまざまな意見がつづられていました。
ここでは、CMへの突っ込みの声や、擁護する声などをご紹介します。
報道ステーションの炎上CMに突っ込む声
報道ステーションのCMはツッコミどころが満載で、ツイッター上ではいろいろな意見が出ていました。
たとえば下記のツイートは、カジュアルな話題に時事問題を盛り込んで若者を引き付けようとしているのはわかるが、「報ステを見るとこんな若者が誕生するよ」と誰に向かっていっているのか?というもの。
「新しい若い世代が化粧品の話や世間話の中にカジュアルに組み込まれる「政治」「報道番組」」という若者を引きつけるイメージを出そうとしているのはなんとなくわかるけども、「報ステを見るとこんな若者が誕生しますよ」をこのCM中で面と向かって話されているのは誰なのかしら
— ぜろ (@Charlie0_4869) March 24, 2021
たしかに、ここまでバカっぽく描かれた若者が「報ステ見よう!」とはならない気がしますね。
かといって、若者じゃない世代も、バカっぽい若者が見るための報道番組なのか?と思ってしまいそうです。
また、このCMは女性をバカにしているというよりも、「当番組はバカ向けです」と宣伝しているのでは?なんてツッコミもありましたよ!
報ステのCMは女性をバカにしているというよりは「当番組はバカ向けです」と発信しただけの話だと思うけど、真面目に見ていた視聴者は公式から急に「この番組はバカ向けです」って言われたら悲しいだろうな。私は「親(バカ)が見てたな…」としか思わないけれども。
— (@royalmilktea01) March 24, 2021
さらには、「こいつ報ステ見てるな」は皮肉なのでは?という声も!
報ステのCMさ、「こいつ報ステ見てるな」って皮肉やんな。報ステなんて見てかしこなるわけないやん。あんな番組一ミリも信用してみないよ。というか見ないよ。
— 折井 (@omelettehamlet) March 24, 2021
報ステなんか見てるから賢くないのだという皮肉かと…。
わずか30秒のCMでいろいろな意見を集められたという点では、とてもすごいCMだといえますね。
報道ステーションの炎上CMを擁護する声
賛否両論のCMでしたが、制作側の意図を好意的に読み取っている人もいました。
若い女性が敬遠しがちな話題を、化粧品の話のようにカジュアルにとりいれる番組を表現したかったのかも…という声もあれば、
報ステのCMをむちゃくちゃ悪く取る人もいて、そこまでの意味はないと思うんだけど「若い女性には馴染みがない、敬遠されがちな話題をまるで化粧品の話をするように“しなやかに”取り入れる新しい人物像」みたいなことがやりたかったのかもしれませんが
— もじゃ子 (@mojashima) March 24, 2021
政治に関心がない若い者層を振り向かせる意図があったのでは?と考える人も。
報ステのCMは若者=政治に関心がない層をターゲットにしてるんじゃね。
演者も化粧品が〜から消費税の話に、産休明け云々から政治家批判に繋げてるし、実際若者で興味関心無い人はそうはならんし
まぁ伝わりにくいCMではあるけど— みやもり❀ (@Mozu96X_X69) March 23, 2021
いずれにせよ、報道ステーションのCMがわかりにくかったのは間違いありません。