キラキラネームとは、一般常識から著しくはずれた珍しい名前のこと。
キラキラネームをつける根底には、愛するわが子に唯一無二のすてきな名前を…という想いがあります。
しかしながら、他人に読んでもらえなかったり、名前のせいで大人になってから苦労することも多いといわれ、昨今はキラキラネームに否定的な風潮が…。
そこで今回の記事では、キラキラネームのデメリットや、キラキラネームの犯罪者、過去に話題となった王子くんの改名について調べてみました。
<この記事は約3分で読めます>
キラキラネームの3つのデメリット
キラキラネームは可愛いものや響きがキレイなものなど、保護者のいろいろな気持ちが込められた名前です。
素敵なキラキラネームも多いのですが、子ども本人が将来苦労すると言われています。
ここからは、キラキラネームで子供が苦労すると言われている理由についてまとめました。
デメリット①名前の読みをいちいち説明しないといけない
キラキラネームは、当て字で読ませる場合も多く、誰もがスッと読みづらいことが多いですね。
下記にいくつかのキラキラネームの例を挙げてみましたが、漢字を見て読める名前はあるでしょうか?
<キラキラネームの一例>
- 光宙(ぴかちゅう)※ポケモンから
- 黄熊(ぷう)※クマのプーさんから
- 幸生大(しいた)※ラピュタから
- 泡姫(ありえる)※リトルマーメイドから
- 緑夢(ぐりむ)※グリム童話から
- 虹(らるく)※アーティスト名から
- 心愛(ここあ)
- 頼音(らいおん)
- 観都(みんと)
たとえば、「心愛ちゃん」。
漢字も意味もとても素敵なのですが、「心」を「ここ」、「愛」を「あ」と読むのは、一般常識からははずれていますよね。
おそらくほとんどの人が「心愛」を「ここあ」とは読めないでしょう。
キラキラネームはこのような当て字系のものが多い印象です。
こうした名前は、学校や病院で読み間違いをされたり、「これ、なんて読むの?」と聞かれたりするのが必至です。
そのたびにキラキラネームの子供は、自分の名前の読み方を説明しなければなりません。
電話などで自分の名前や漢字を説明する際も、相手になかなか理解してもらえなさそうですよね。
また、名前の意味や響きによっては友達にいじられてしまう可能性も考えられます。
さらに、子供が成長後、ビジネスシーンで自己紹介をする際なども同様です。
立派な大人なのに「光宙(ぴかちゅう)」のように可愛すぎるキラキラネームだと、名乗るのが恥ずかしいのではないでしょうか。
名づけの際には、その子が40代になったときや、企業の取締役になったときのことなどを具体的に想像し、そういうシーンにもマッチする名前をつけてあげたいものですね。
デメリット②就職時に不利
ネット上では、キラキラネームの子供は履歴書選別の時点で落とされる…という話もよく見かけます。
キラキラネームの子供が就職で不利になる理由は、キラキラネームに対する偏見があると考えられます。
企業の採用担当者の多くは、
- 奇抜な名前を付ける親は常識がない。
- だから、そういう親に育てられた子供は常識がないであろう。
- キラキラネームの子の親はモンペなのでは…?
上記のような偏見を少なからず持っているようです。
キラキラネームを履歴書だけで落とすことはない企業でも、もし最終選考で同等の学歴・能力を持つ2人のうち1人しか採用できない場合、1人がキラキラネームであればそちらを落とす…ということはありえるでしょう。
また、たとえば営業職がキラキラネームだった場合、本人はもちろん会社の信用にも影響はありそうですよね。
デメリット③偏見を持たれやすい
上記でも書いたように、キラキラネームは偏見を持たれやすいのがデメリット。
とくに、キラキラネームをつけるなんて親が非常識なのでは?変な人なのでは?と偏見を持たれるので、子ども本人も親も敬遠されがちです。
付き合っていくうちに徐々に変な人ではないとわかってもらえれば、親しくなれるのですが、何かトラブルが起きた際には「やっぱり…」となってしまいます。
愛情を込めた子供の名前で偏見を持たれるなんて悲しいことですが…。
キラキラネームや珍名は犯罪者になると目立つ!
キラキラネームを付ける理由の1つに、名前を覚えてもらいやすいというのがあります。
しかし、それは良い面もありますが、その子が悪さをしたり犯罪を犯して逮捕されたりした際にも目立ってしまいます。
キラキラネームだから犯罪を犯しやすい…という統計はありません!
にもかかわらず、ふつうの名前の犯罪者とキラキラネームの犯罪者では、後者の方が目に付き話題になりやすいため「キラキラネームは犯罪者になりやすい」という偏見につながっていると考えられます。
逮捕されて目立った、犯罪者たちのキラキラネーム
2021年10月、大阪で3歳の息子を虐待した罪で逮捕された母親の名前は、行歩寿希(ぎょうぶじゅき)。
寿希は「じゅき」と読めますが、一般的な言葉ではなく、名前の由来が知りたくなりますね。
なお、亡くなった3歳児の名前も難読で、桜利斗(おりと)くんでした。
2021年10月、過失運転致死傷で逮捕された人物の名前は、大久保れもん。
乗用車を運転中にオートバイに衝突し、男性2人を死傷させてしまいました。
ニュースでは顔写真も出ませんでしたが、大久保れもんという名前がトレンドに入ってしまうことに…。
2021年3月に話題となったのが、児童ポルノ禁止法違反で捕まった元Youtuberのワタナベマホト。
逮逮捕されたことよりも、本名が「渡辺摩萌峡」であったことを驚かれていました。
ワタナベマホト逮捕されたことよりマホトが本名だったことの方が驚きなんだけど私だけ? pic.twitter.com/iqaNaOBavp
— こおり大和@ミホノブルボンカワイイ(*´ω`*) (@KGNI_Musashi) March 17, 2021
2021年1月に、強盗と強制わいせつ行為で逮捕された20歳男の名前は、岩間涼斗(みんと)。
読み方が非常に変わっていますが、女性のバッグを奪った後に顔や首などをなめた…という犯罪の内容も変わっていました。
2019年にネットサイトを襲撃すると脅した疑いで逮捕された57歳の無職女は、名前が中田未祐(えめらるだす)ということでいまだにネット上で話題に上がっています。
2018年に強制わいせつの疑いで逮捕された26歳男の名前は、諸星銀河(ぎんが)。
2017年に金塊15キロを密輸していた疑いで逮捕された22歳男の名前は、仙波烈王(れお)。
2016年にナンバープレート窃盗容疑で逮捕された21歳男は、成瀬正光矩(しょうみっく)。
2016年に未成年者誘拐の疑いで逮捕された男の名前は、寺内樺風(かぶ)。
完全に当て字のキラキラネームですね。
2014年に連続通り魔事件を起こし、強盗殺人罪に問われた24歳男の名前は竹井聖寿(せいじゅ)。
恐ろしい事件を起こした人物ですが、名前はとても美しいです…。
2011年に女子高生の胸を触った容疑で逮捕された36歳男は、鈴木宇宙太(うちゅうた)。
キラキラネームの容疑者は名前のインパクトが強いため、ツイッター上でずっと話題になってしまいます。
林修やひろゆきもキラキラネームの弊害を指摘
林修さんやひろゆきさんは、TV番組などでたびたびキラキラネームの不必要性や弊害について語っています。
林修の持論「キラキラネームと低学力には関係がある」
林修さんは2017年9月24日に放送された「林先生が驚く初耳学」で、キラキラネームと学力の低さには相関性があるという持論を展開しました。
予備校講師でもある林修さんは約20年前、テストの成績順に生徒の名前をリストアップしてみたところ、途中から読めない名前が出てきたそうです。
これはつまり、成績が下位になればなるほど、読めない名前(キラキラネーム)が増えるということです。
また、その年の東大合格者の名簿を見せてもらったプロデューサーが「全員の名前が読める」と言ったエピソードも紹介しました。
林修さんは、キラキラネームの子供本人には責任はないと強調しながらも、テストの点数と読める・読めない名前には相関性があると語っています。
また、林修さんは、固有名詞とはあるモノを特定して指し示す機能があり、パッと見て〇〇だと特定できないような名前は固有名詞といえるのか?と疑問を提示。
個性を表現するためにキラキラネームをつけるという人も多いようです。
しかし林修さんは、野球のイチロー選手を例に挙げ、名前で個性を表現しなくてもいいのでは?と提言。
イチロー選手は「鈴木一朗」という非常にありふれた名前ですが、努力を積み重ねて大リーグで活躍する有名人になりました。
まさに、自分の力で名を上げた…のがイチロー選手というわけですね。
ひろゆきの持論「読めない名前を付ける親は頭が良くない」
元「2ちゃんねる」管理人であるひろゆきさんは、以前から、読めない名前(キラキラネーム)の子供は親も頭が良くないので、その遺伝で子供も頭が良くない…という持論を語っています。
親の知能は子供に遺伝します。
他人が自分の子供を呼ぶために、名前をつけるのですが、一般的に読めない名前をつける親は頭が良くない可能性が高いです。
よって、読めない名前の子供は遺伝により頭が悪い可能性が高いです。
と言う話をしてたら、また実例が増えました。https://t.co/VNk2IENRP9— ひろゆき, Hiroyuki Nishimura (@hirox246) March 17, 2021
上記ツイートは2021年3月に元Youtuberのワタナベマホトが逮捕され、その本名がキラキラネームだった話題を受けてのものです。
ひろゆきさんはキラキラネームと遺伝を関連付けているため、賛否両論を巻き起こしてしまいました。
しかし、ひろゆきさんの言いたいことの本質は林修さんと近しいような気がしますね。
下記ツイートのように、キラキラネームの問題点は、「キラキラネームを付ける親+制止する人間がいない環境」ではないかと思います。
ワタナベマホトが本名だったことから、キラキラネームやひろゆき氏の話が再燃してますね。
キラキラネームの問題点は、遺伝云々ではなく
「キラキラネームを付ける親+制止する人間がいない環境」
にあると思うので、子供が早く脱却してまともになれることを祈るばかりですね。
— 毒吐き小リス♪🐿️ (@faked_equality) March 18, 2021
林修さんやひろゆきさんの持論によると、
- キラキラネームは低学力に関係がある
- 親の知能の低さの表れである
…ということのようですが、それは肌感覚のようなもので、実証されていることではありません。
ただ冷静に考えてみると、子供を呼ぶためにつけた名前が、他人には読まれない…というのは、生活する上でやはりデメリットがあるように思えますね。
キラキラネームの王子様くんは改名した!
実は、親につけられたキラキラネームに悩む子供は少なくありません。
キラキラネームが原因で子供が苦労することは、下記の通りです。
- からかわれる、いじめられる
- 自己紹介の際にプッとふき出される
- 名前を何度も聞き返される
- 本名ですか?と聞かれる
山梨県在住の赤池くんは、もともと「王子様」という名前でしたが、2019年に「肇(はじめ)」という名前への改名を申し立て認められました。
王子様の「様」までが名前だったため、上記画像の通り、郵便物の宛先は「王子様 様」となっています。
赤池くんは小学校低学年のときに、自分の名前は他の人と違って「役職名」であることに気が付いたそう。
良い友達に恵まれていたため、名前が原因でバカにされたりいじめられたりすることはなかったとのことで、そこだけは良かったですね。
赤池くんの「王子様」という名前を考えたのは、なんと実の母親!
「私(母親)にとって唯一無二の王子様」という意味でつけた名前だそうですが、父親にも相談せずに出生届が出されていたそうです。
赤池くんは人気漫画「こち亀」に出てくるエピソードから、15歳を過ぎれば自分で改名を申請できるという知識を得て、中学3年のときに改名を考え始めます。
両親や友人の提案なども含め、いろいろな名前を考えた赤池くん。
最終的には、僧侶からすすめられた「はじめ」という名前に、経営学者・河上肇氏の漢字を当て、『今までの人生をリセットして新しく始める』という想いを込めて解明を申請。
改名した後は、父親や友人には「良かったね」「おめでとう」と祝福してもらったそうですよ。
キラキラネームをつけられた赤池くんは、キラキラネームに悩む子供たちに向けて「15歳になれば自分で名前は変えられる」ということを伝えるためにTVなどで顔出ししています。
また、キラキラネームをつけられて生きてきた張本人として、これから子どもの名づけをする人たちに向けて下記のような提案をしています。
- おじいさんおばあさんになってもずっと同じ名前であることを考えて欲しい
- 小さい頃は可愛くても、大人になったら悲惨な場合もある
- 名前はずっとついて回るものだと考えて欲しい
- 名前はあてにならない。すべては自分次第
キラキラネームで思い悩んだ赤池くんだからこその実感のこもった言葉ですね。